在職中に転職活動をする場合、現在の勤務先を円満退社したいと思うものです。立つ鳥跡を濁さずのことわざの通り、しこりを残さずに退社ができれば、気持ちよく会社を後にできます。音と建て前という言葉がありますが、退職する際にはこの両方を上手に生かすことが大切です。退職してしまえば、理由なんて関係ないと思う人もいるかもしれませんが、印象を悪くして退職するよりも、良い印象を与えつつ職場を辞めた方が人徳が上がります。また自分が退職した後に職場に残る同僚たちのことを考えるのが大人の対応です。

良い印象を持たれつつ退社することにはメリットがあります。例えば他の会社に転職したものの、職場の雰囲気が合わなかったり、仕事にうまくなじめなかったりする場合、以前勤務していた会社の同僚や上司から「戻ってこないか?」と誘いを受けることもありますし、退職後も同僚たちと連絡を取り合って、友情を持続させることもできます。どちらにしても自分にとってメリットとなるのではないでしょうか。

面接でも音と建前を使い分けることが大切です。面接官の質問には、なぜ今の会社を辞めたいと思ったのか、というものがあります。面接の際に音を言ってしまうと、もしこの人を採用した場合、同じ状況になった時にやめてしまうのではないだろうか、と不安を与えてしまう可能性があります。面接の時にも上手に音と建前を使い分けることで、面接官に良い印象を持ってもらえる可能性があります。

面接で使った建前退職理由ランキング

退職理由を伝える場合、建前を上手に利用すれば相手との共感を生みます。転職の際にも有利になります。

1位 スキルアップをしたいと思ったので退職した

転職理由としてスキルアップやキャリアアップをしたいと思った、と述べる人はたくさんいます。自分の可能性をさらに広げたいという気持ちから退職することにした、という理由の人もいます。もっと自分の思い通りの仕事がしたいというのが音かも知れませんが、スキルアップという言葉に置き換えることで前向きな退職理由として捉えてもらえます。

 

2位 仕事に面白味が感じられなかった

まじめに仕事に取り組んでいたものの、打ち込める仕事ができなかったのが残念だった、という気持ちをアピールすることで、進取の気性を持っている姿をアピールできます。

3位 勤務時間や職場環境が合わなかった

体力的にこれまでの仕事ができなくなった、という点を正直にアピールすることで、共感を持ってもらえます。職場環境は自分ではどうにもならない不可抗力ですから、この理由を伝えることで、相手に納得してもらえる可能性が高くなります。直接的な理由に聞こえますが、相手は前向きにとらえるケースが多いのです。

4位 会社の経営指針が変わったので退職した

TOBなどで経営者が変わると、経営方針や指針が180度変わってしまうことも珍しくありません。不可抗力で自分はどうしようもなくなってしまった、という気持ちを伝えられます。ストレートな退職理由ですが、会社側からすると反論できないのが音です。

5位 報酬が少ない、昇給が無い

経営状態が悪化したため、報酬が少なくなったり、昇給が凍結されたりすることがあります。これは一社員にはどうにもならないことですから、正当な理由として受け止められます。

6位 雇用形態が改善されないので退職した

契約社員として入社した際、正社員としての登用の見込みがあると言われ、一生懸命仕事に取り組んだものの、結局正社員になれなかったとしたら、正当な退職理由になります。企業の経営状態が悪くなったため、約束が果たせなかったとすると、会社側も引き留める理由はなくなります。

7位 自分が正しく評価されない

言い換えれば昇進の機会が少なく、立場に満足できなかったというケースです。スキルや能力があるにもかかわらず、会社が認めてくれない場合に用いることのできる退職理由です。

8位 経営者の方針に納得いかなかった

ワンマン社長が経営する会社に良くあるケースです。社員の希望に耳を傾けることはせず、自分のやり方を押し付ける経営者は時折見受けられます。この理由であれば、同僚や上司から共感されやすいです。

9位 人間関係でうまくいかなくなった

同僚とのいざこざや権力争いなどで疲弊してしまい、退職せざるを得なくなったという人がいます。周りがそれに気付いている場合、すぐに納得してもらえるので、とても有利な退職理由です。

面接で使えない音の退職理由ランキング

建前については良く分かりましたが、音についても気になるものです。退職した理由の音の上位5位までをランキングしてみました。

1位 経営者の方針に納得いかなかった

2位 勤務時間や職場環境が合わなかった

3位 人間関係でうまくいかなくなった

4位 報酬が少ない、昇給が無い

5位 仕事に面白味が感じられなかった

音では、人間関係が退職理由の上位を占めていることが特徴でしょう。スキルアップをしたいというのは5位以下ですから、音と建前は大きくかけ離れているのが良く分かります。