新卒社員でも会社を辞める人が増えている

職場のミスマッチという言葉をよく耳にするようになりましたが、就職早々会社を辞めてしまうケースが増えているといいます。新卒の社員なのに仕事を覚える間もなく辞めてしまうことも多く大きな問題となっています。この傾向は実際のデータでも証明されており、2013年に厚生労働省から発表されたデータでは新卒社員の3年以内の離職率が31パーセント、1年以内でも12.5パーセントと非常に高い数字となっています。つまり新卒社員のじつに3人に1人が3年以内に辞めてしまうことになります。こうしてみると新卒社員でも会社を辞めてしまうケースが決して珍しくないことが窺えます。

その最大の原因として必ず挙げられるのが冒頭の「職場のミスマッチ」です。事前のイメージと入社した後の現実との間にギャップがあった、あるいは実際に働いてみたら自分に向いていないとわかった、さらにはもっと自分にあった仕事があるはずだ、と思う。こうした理由から早々に会社を辞めてしまうケースが多いのです。これは単に「今の若者は我慢が足りない」といった事情では片付けられない面もあります。終身雇用制の崩壊に加えて厳しい就業環境、まず就職しなければどうにもならないという事情から「正社員ならどこでもいい」と就職してしまうといった現代社会ならではの事情もあるからです。

ただ、新卒早々の退職は将来のキャリアにとって大きなマイナスポイントとなります。また若いゆえに衝動的に辞めてしまうケースも少なくありません。「会社を辞めたい!」と思った場合にはちょっと立ち止まって冷静に考えてみることが大事です。

まず、がんばる期限を決める

仕事を辞めたい理由はひとそれぞれですが、辞めたいと思ったらまずがんばる期限を決めてみましょう。すぐに辞めるのではなく、「この時期まではやるだけがんばってみる」と期限を設けるのです。そしてその間は全力で仕事に励む。そうしている間に仕事に対する見方が変わるかもしれませんし、仕事に慣れてスムーズに業務ができるようになる可能性もあります。さらに上司や先輩がやる気を認めて扱いをよくしてくれる可能性もありますし、もっとうまくいけば仕事そのものに楽しさややりがいを感じられるようになるかもしれません。またあらかじめ期限を設けておけばその間モチベーションを維持できるというのも大事なポイントです。

逆に期限までがんばっても状況に変化が見られない、改善されない。それどころか心身の負担がますます大きくなって変調をきたすようになった、といった場合にはその時こそ辞める決断を下すときです。ここまでくれば今の職場が自分に合っていないのは明らかですし、周囲の環境にも問題があると判断できるでしょう。そしてなにより「やるべきことはやったんだから辞めても仕方がない」と自分自身を納得させ、スッキリとした気分で退職に踏み切ることができます。退職した後、転職活動を苦労している間に「やっぱり辞めないで我慢した方がよかったかも」などと後悔することもなくなるでしょう。

会社によっては明らかに就業環境に問題があるケースもあります。残業続き、休日出勤は当たり前など。こうした環境で頑張れば頑張るほど厳しい状況に追い込まれてしまうこともあります。さらに職場の人間関係やモチベーションに問題がある場合には頑張っている人に面倒をすべて押し付けてくるケースもあります。こうした職場環境の問題点を見極めるうえでもよい方法となるはずです。

健康に影響があるようなすぐに辞める

このように、期限を決めてその間はがんばって見て健康に影響が生じた場合にはすぐに転職を考えた方がよいでしょう。自分に向いているかやりがいを感じられるか以前の問題で、職場環境に問題がある可能性が大だからです。先述した職場の人間関係の問題や人手不足などさまざまな理由が考えられますが、明らかに新卒社員が背負いきれる以上の仕事を求められています。体調や精神状態に異変が起こってから辞めたのでは次の転職活動がうまく行きませんし、最悪採用のマイナス評価の材料になってしまう恐れもあります。

この健康に影響があるかどうかの見極めが難しいのも社会人の厄介な点です。スポーツ選手のケガのように急に発生するものではなく、少しずつ影響が生じジワジワと影響をもたらすケースが多いからです。思うように睡眠が取れない、食欲がない、疲労が慢性化して体がだるい、集中力が維持できない…まだ若い段階でこうした問題が見られた場合にはよほど就業環境に問題があるか、相性が悪いかのどちらかです。期限を決めてがんばると書きましたが、がんばってこうした健康への悪影響が見られた場合も退職を決める重要な判断材料となるでしょう。

新卒での退職はできるだけ避けた方がよいのは間違いないですが、どうしても耐えられない環境と言うのもあるものです。その耐えられない環境かどうかを見極める手段として今回取り上げたポイントが役立つでしょう。